
名古屋の若手人気劇団「右脳中島オーボラの本妻」の演出・劇作家 丸蟲御膳末吉がW.シェイクスピアの『ハムレット』を改作&新演出!
『阿吽〜ハムレット奇譚〜』と題して2020年3月7日(土)名古屋市東文化小劇場にて公演決定!
ハムレットのみならず、登場人物全ての揺れ動く心理を、深い洞察力で舞台化!
出会いは偶然に
昨年秋、愛知芸術文化協会(ANET:あねっと)と名古屋市文化振興事業団の共催企画「地域密着 小劇場巡回シリーズ」が3年計画で決定しました。
初年度の2019年度は年明け2020年3月に3公演、音楽・演劇・舞踊の3ジャンルの公演が決まったのです。
その演劇枠に、私の提案した「名古屋で我らのシェイクスピア!」の企画が採用されました。それで、私がプロデュースを務めることになったのです。
「シェイクスピアのどの公演をやろうかな〜」「誰に演出、脚本を頼もうかな〜」と思いながら、愛知芸術文化センターのライブラリーに行こうと、オアシス21からの地下通路を通ってエスカレーターに乗ろうとしたときのことです。
「♫これじゃなくっちゃ、これじゃなくっちゃ♪」で東海地区ではおなじみのお茶のCMソングにのって、オブジェの周りを歌い踊る集団を発見!
「何これ?」と好奇心につられて近寄ると、なんだか訳のわからない引力を発するそのパフォーマンスに釘付けになってしまったのです。
「誰(劇団とか演出家とか)がやっているのかなぁ?」と興味が湧き、出演者の誰かに声をかけてみようかと思っていると、その中に知り合いの役者を見つけたのです。
休憩になったところで「〇〇ちゃん!」と声をかけると、「Yukiさん!」と向こうも気づいてくれました。そこで、「演出家はどの人?紹介してもらえない?」と頼んで紹介してもらったのが、丸蟲御膳末吉さんでした。
そのときは、「お話は伺いたいが、今ちょっと本番前ですので、後ほどお電話さしあげます」という返事でした。
私はライブラリーでも、帰宅途中も、本番が終わるのをそわそわしながら待っていましたが、終わったはずの時間になっても全然連絡がありません。
思わず心配になってしまい、こちらから電話をすると、「今終わりました」と、電話に出ていただけました。いや、きっとバタバタと忙しいところだったろうに、ハタ迷惑なプロデューサーですよね。
今回の企画の話をし、「もし興味を持っていただけるようなら、書かれた脚本を見せていただけませんか?」とお願いすると、「芝居も見ていただいた方がいいですよね?」と、DVDも送ってくださると関心を持っていただけ、「もしおメガネに叶えば、ということで」と、非常に謙虚な態度を示されました。
リリックな芝居は現代のシェイクスピア?
それから数日後、送られたきた2つの芝居のDVDと脚本を見て、私は丸蟲さんに今回の演出と脚本を依頼することを即決しました。なぜなら、脚本は言葉遊びに満ちた非常にリリックなもので、シェイクスピアに共通するものがあったし、芝居は観た後、とても温かい気持ちになるものだったからです。
ということで、数日後、正式な依頼のため、名古屋は駅西のカフェでお会いすることになりました。
しかし、当日行ってみると、そのカフェは満席。しかも、一人用の席しかない狭いところだったので、急遽近くにあるサイゼリヤに場所を変更し、お待ちしていると、丸蟲さんは現れてくれました。
いろいろ話をして、無事丸蟲さんに今回の企画の演出と脚本をお願いできることになり、初顔合わせは終了。「ここのお会計は、私がお出しします」と、レジに向かいました。
レジでサイゼリヤは現金払いのみということを初めて知り、「私が出します」と丸蟲さんに言ったにもかかわらず、その日現金の持ち合わせがなかった私は、逆にその場は丸蟲さんに支払っていただくことになってしまいました… その節はありがとうございました、丸蟲さん!
役者は揃った!
そして、芝居は丸蟲さんの希望で『ハムレット』に決まり、冬中かかって脚本が仕上がりました。
コンテンポラリーダンスやDJ、尾張漫才のメンバーも加わった多彩な顔ぶれの『阿吽〜ハムレット奇譚〜』が産声をあげたのです。
3月には、一般公募もしてオーディション等で役者さんも決定しました。
稽古開始は11月頃からの予定です。
その前に、役者さんには自由参加でボイストレーニングや身体表現のためのワークショップなども行ってもらう予定です。
あっと驚くような舞台美術に、テンポのいい演出。
現代版『阿吽〜ハムレット奇譚〜』に期待が高まります!!!